そうだ、蘭越で農家になろう!

北海道に移住して早7年を迎える、今では小さな農家ではあるが、農業経営者としての人生を歩んでいる。小さい頃から会社の社長になることが夢で小さい頃の将来の夢ではいつも会社の社長になることと書いていたが、このような形で実現するとは、人生まさに生きているだけで丸儲けである。

 

小さい頃に家族で北海道をキャンプしながらグルグル回っているうちに北海道の大自然に接し、いずれは北海道に移住したいと想い30年。今の妻と出会い、結婚し、その夢は突如実現した。

 

結婚を機に色々と考えていたときに妻にいずれは北海道に移住したいと話したとき、「行きたいなら行けば良いじゃん!」と背中を押されたのをきっかけに札幌にある北海道農業担い手センターが開催している就農相談会に参加した。そこで留寿都にある大根農家が若い夫婦を募集しているということで、紹介を受け、北海道最初の移住地は留寿都に決定した。

 

農業の「の」の字も知らない状態で身体一貫北海道に移住してみたら、いきなり留寿都の中でも1・2を争う大農家さんだった。そんな中で2年半研修させていただき、農業の基本と農業に対する姿勢を教えていただいた。そこで学んだことは今でも僕の思考の大半を占めている。まさしく「師」と言っても過言ではない方との出会いだった。同時に農業の面白さも教えていただいた。

 

自分の心の中で営農してみたいという気持ちが日に日に強くなっていった。就農をメインに研修先を探していたところ、偶然新規就農者の集いで知り合いになった方が蘭越に住んでおり、今度蘭越町が新規就農をメインとした研修施設を作るという話があるということを教えていただいた。

 

その頃、妻のお腹の中には第1子がおり、出来れば後志管内でと思っていただけに、自分の中ではもう蘭越しかないという気持ちで門を叩いた。蘭越町研修農場で2年間の研修を終え、平成27年4月に独立し、現在営農3年目。第2子にも恵まれた。現代農業は後継者不足に悩んでいる。僕は町の研修施設に入り、役場の方々や町民の方々の力を得、紆余曲折あったが、就農できた。

 

この御恩をお返しするためにも農業の興味のある人を育成し、独立させ、農業後継者を増やしていければ良いと思っている。これからの農業は個々に行う農業の時代は終わりに近づいていると感じている。今後は徐々に組織化され、組織の農業へと変革されてくるであろう。これから大事なのは横の繋がりである。自分の思い描く農業を実現するために、これからも一歩一歩着実に成長を遂げ、夢を実現させたい。

 

蘭越に来てから僕が思い描く夢はどんどん実現となっている。だから僕が蘭越を友人に紹介するときは必ずこう言う「夢を叶える町、蘭越」と。そのフレーズが蘭越町を紹介するためのふるさと動画にも使われている。これからもどのような苦難があるかわからないが、家族全員で力を合わせて乗り越えていければ良いと思う。

 

(2017年3月4日 サウザンドリーフ 代表取締役社長 千葉一喜)