[どのようにして企画がうまれたか]
このたびのプロジェクトは、日々地域おこし・町おこしを企んでいる友人と「本出版してみようか?」そんな軽いのりで、平成25年9月下旬からスタートしました。ただ本を出版しても意味が無い。話題性に富んだ、どこもやったことの無いようなものにしなければ意味が無い。そんなこんなで2人で大まかな構想を練りました。自分で言うのも恥ずかしいが、自称バイタリティーの塊といわれる私と、日本各地に友人・知人を持ち、思い立ったら即実行! 実行力のある彼。しかし2人で出し合う構想にも限界がある。そこで、町内のフェイスブック会会長でもあり、情報発信力のある友人と、様々な脚本なども手がけるほど文才のある友人に声をかけたところ、快く引き受けてくれた。彼ら2人も別分野でありながらも、私達同様に日々地域おこし・町おこしを企んでいる、言わば町の広告塔でもあった。
こうして4人の出し合う様々な意見の良いとこ取りをし、11月6日、行政に頼らない住民有志によるプロジェクト、蘭越町住民世帯数の1%である24名以上で24作品以上、ジャンルは問わない、年齢不問、町内出身者OK、お金をかけない出版、無料電子書籍、3月1日には出版記念会を実施する等決定し、実行委員会を立ち上げ動き出しました。
[2ヶ月の執筆期間と実行委員の動き]
各実行委員がニーズ調査ならぬ、執筆希望者を個別にあたり、どのくらいの方々が本出版に興味があり参加してくれるのか、調査してみました。正直、私はスタート時、企画・立案はしたものの、執筆希望者も少なく、企画倒れになってしまうだろう。そんな考えの方が強かったようにも思います。
12月9日、約20名の方を前に、このプロジェクトの趣旨や、執筆・出版に当たっての注意事項等理解していただけるような住民説明会を実施しました。参加者も少なく、やはり企画倒れ?と、思いましたが、やはりそこは最強カルテット!しっかり自分の担当執筆者を見つけ、2月9日の原稿締め切り日までの2ヶ月、こまめに連絡を取りながらしっかり期限までに間に合わせてくれたのでした。
[すばらしい作品が出揃った]
3月1日、ついにこのプロジェクトの集大成、出版記念会を開催いたしました。執筆してくださった方々は、下は13歳中学生から、上は85歳のおばあちゃん。農家の方やワイナリーを経営している方、校長先生と生徒の共同作品。自伝・写真集・趣味等、年齢も内容も様々な作品が全38冊集まりました。当日はユーストリームというインターネット配信や、沖縄にいる著者の一人と中継を結んでみるという試みもしましたが、結果は施設のインターネット環境が悪く、あまり上手く行きませんでした。それでも出版関係者や報道関係者、数多くの皆様にお集まりいただき大成功に終わることが出来ました。また、出版記念会当日は、今回執筆していただいた皆さんに、自己負担(2千円~3千円)にはなりますが、自作の本を1冊ずつ町内にある図書館へ寄贈していただきました。図書館でも玄関の正面にワンコーナーを設置し、町民の皆様に気軽に借りていただけるよう配慮していただいております。
企画がスタートして2年半が経ちますが、これまで作家デビューされた方は50名を超え、出版された本も60冊を超えています。おそらく日本一作家密度の濃い町ではないでしょうか(笑)
2016年5月
蘭越作家デビュープロジェクト代表 高橋 伸次